エアコン

【空調のプロがお答えします】冷風扇の効果は?本当に涼しいの?

【空調のプロがお答えします】冷風扇の効果は?本当に涼しいの?

今、話題になっている冷風扇ですが実際のところ効果はどうなのでしょうか?
涼しい風が出るのでしょうか?
空調のプロがお答えいたします。

結論:冷風扇の効果をズバリお答えします。

冷風扇の効果ですが、空調のプロの意見を言わせてもらいますと。

日本の夏では効果は期待できないでしょう

という事になります。

冷風扇の広告の謳い文句は全くのウソという訳ではありません条件付きであるという事なのです。

それでは、空調のプロの目線から冷風扇の効果について説明していきたいと思いますので是非ご参考にしてみて下さい。

冷風扇の魅力は何でしょうか?

冷風扇の魅力は何でしょうか?

  • 本体の値段が安い(1万円しない)
  • 電気代も安い
  • お財布にも環境にも優しい
  • 工事が不要なので移動して使える。

と、かなり魅力的です。
購入するかどうか迷ってしまいますね。
実際のところはどうなのでしょうか。
空調屋の目線でみていきますのでお付き合い下さい。

冷風扇とエアコンを比べてみましょう。

冷風扇

  • 風を送るファン
  • 水を浸み込ませるフィルター
  • コンセントにつなぎ水を入れるだけ

  ※電気を使うのはファンだけです。

エアコン

  • ファンは室内機と室外機にそれぞれあり
  • コンプレッサー 冷媒(フロンガス)を圧縮する
    ↑これが夏の電気代が高い犯人
  • 取付け工事が必要。簡単に移動は不可。

電気代はかかり、設置は面倒

冷風扇とエアコンを比べてみると費用が安いのと手軽さが魅力となります。

冷風が出る仕組み?

エアコンなどで冷たい風が出る仕組みについて説明します。
部屋が暑いとか涼しいというのはどういう事なのでしょうか。
これは、空気の持っている熱の量に関係します。

つまり、

部屋が暑い = 熱が沢山ある

部屋が涼しい = 熱が少ない

ということになります。

部屋の暑い空気から熱を取ってあげる涼しい空気になります。

例えば、室温30℃の部屋から10℃分の熱を取り除いてあげると室温20℃の涼しい部屋になります。(涼しというか寒いですね)

どうやって空気の熱を取り除くの?

空気の熱を取り除くとは注射の時のアルコール消毒に例えるとわかりやすいです。
注射を射つ前、腕にアルコールを塗るとどんな感じがしますか?
冷んやり冷たく感じますね。これが、熱を取り除くということです。
アルコールが腕の熱を奪ったのです。
熱を奪われた腕は冷たく感じるのです。
つまり、アルコールが蒸発する時に周りから熱を奪うのです。

液体は蒸発する時に周りから熱を奪います

冷風扇の冷風で考えてみると?

冷風扇の中ではこんな事が起こっています。

①ファン(送風機)で部屋の空気を吸い込みます。

②吸込んだ空気を水を染み込ませたフィルターに通します。

 この時に水が蒸発して吸込んだ空気から熱を奪います。

③熱を奪われた空気は冷風となり吹出し口から出てきます。

水とファンしか使わないので電気をあまり使用せずかなりのエコです。

但し、冷風扇が冷風を出すには条件があります

冷風扇が冷風を作り出すためには条件があります。

それは、湿度です。

部屋の湿度が高いと冷風を作り出すのがキビしくなります。
日本の夏は高温多湿です。(温度が高く湿度も高い) 
水を蒸発させて空気の熱を奪おうとしても空気には既に水分が含まれているため、もう蒸発する余地がないのです。(多少はあります)
ですから33℃を30℃にしても冷風とはいえませんよね。しかも、湿度は高くジメジメです。

でも、ネットなんかでは「最大で−12℃冷えます」なんて宣伝文句を見かけます。
間違いではありませんが、よーく見ると小さい文字で条件が書いてあるハズです。
温度35℃、湿度は30%みたいに湿度が低くなっているハズです。
ちなみに関東近郊で夏の平均外気温・湿度は、
外気温28.3℃ 湿度77%位です。
これは、24時間の平均ですので昼間なんかはもっと高いことでしょう。
外気温30℃超え、湿度80%なんてザラです。

冷風扇の効果 まとめ

まとめますと、

空調のプロの意見としては、
日本の高温多湿の夏に冷風扇はおすすめ出来ず、十分な冷房効果は得られません。

という事になります。
春先や秋口など、ある程度湿度が低いという条件であれば効果を発揮するでしょう。
でも、扇風機でも十分かとも思います。扇風機は風だけですが体感温度で涼しく感じます。
また、注意して欲しい点があります。
真夏の冷房を冷風扇だけに頼るのは非常に危険です。

熱中症の危険性があります。

ただでさえ室内の湿度が高いのに冷風扇で更に湿度が高くなってしまうと、体温調整のために汗をかいても汗が蒸発しにくくなり体の熱を逃せなくなってしまうのすこれは体にとっては危険な状態です。

エアコンの冷風が苦手なので冷風扇を検討している方もいると思いますが、冷風扇あくまでエアコンの補助としてお考え下さい。

 

ABOUT ME
管理人
現在、単身赴任中のアラフィフです。空調屋やってます。 DIYなど自分で修理とやってみるのが好きです。 人生100歳時代、自分を見つめ直して色々と勉強中です!!